熊野市遊木町    

三重県熊野市遊木町

  一番多い時期には、一日100トンものさんまが漁獲されます。
三重県熊野市遊木(ゆき)

三重県の南部に位置する小さな漁師町です。
この地域で三重県のさんま漁獲量の4〜5割を水揚げしています。



北西の風が次第に強くなり、ヒヨドリが群れをなして海面スレスレを飛ぶ。
この光景がさんま漁の季節が始まる兆し。

寒くなるにつれ、最盛期を迎えます。


さんま漁の歴史は古く、300年前熊野灘で始まったと言われています。
遊木町においても古くからさんま漁が盛んで、30年程前には26隻、
現在は9隻のさんま漁船が出漁しています。
漁獲されたさんまは、丸干しやさんま寿司に加工されます。

最近では都会に住む方々に、漁業や海の良さを知ってもらおうと
ブルーツーリズム「遊木海と自然のクラブ」を発足。
夏には体験漁業を楽しもうと、多くの方がこの町を訪れます。


地図



長栄丸


季節 期間 漁法 漁獲される魚
秋〜春 10/20〜4/30 さんま棒受網漁 さんま
春〜夏 5月〜6月 ケンケン漁
一本釣り
本カツオ
夏〜秋 7/1〜10/30 夏棒受網漁 マイワシ・ウルメイワシ
サバ・マルソウダ


大きさ 14.7トン
乗組員数 3名


長栄丸 水揚げ作業





さんま棒受け網漁


棒受け網(ぼううけあみ)

 夜、光に集まるさんまの習性を利用。
集魚灯を使い、網に誘い込む漁法です。

出船
さんま棒受網漁は、日没から夜明けにかけて操業します。

光に集まったさんまの大群は、同一方向に旋回。
網へ導いたさんまを一網打尽にします。

          

サーチライト
サーチライト 真っ暗な海面をサーチライトで照らしながら、
さんまの群れを探します。

ライトに反応したさんまは、
白波が立つように飛び上り、
真っ暗闇の海面が、銀幕のようになります。

         

左舷(さげん)集魚灯  (魚を集める灯り)
左舷集魚灯 群れを見つけたら、右舷・左舷両方の
集魚灯をつけ、魚群探知機の反応を見ながら、
さんまが集まるのを待ちます。


反応が悪い場合は、魚影が濃い群れを
探しながら移動します。

     

右舷(うげん)集魚灯・網
右舷集魚灯・網 さんまが集まれば、網の準備。
左舷集魚灯のみを点け、
右舷側に網を放り込みます。

集魚灯の下を、さんまの群れが旋回します。
群れが大きい時は、密度が高くなってきます。



右舷(うげん)集魚灯   (魚を誘導する灯り)
右舷集魚灯 網の準備を終えたあと、左舷集魚灯を
消しながら、右舷集魚灯を点け、
さんまを網に誘導。
赤く光る集魚灯で、さんまを一ヶ所に集めます。

左舷側で旋回していたさんまが、
船をくぐり右舷側の網に入ってきます。

 


棒受け網漁で漁獲した「熊野灘のさんま」
高鮮度・高品質で港へ持ち帰ります。

漁獲する時間帯で味に違いのでる丸干し。
おいしさの秘密は
手づくり陰干し製法にあります。